トミーウォーカーのPBW「シルバーレイン」のPC、アストラム・ヒッペアス(b52617)・霜月蒼刃(b52626)2名(+α)と同PBW「サイキックハーツ」のPC霜月蒼刃(d04677)・蒼城飛鳥(d09230)による日記等の雑記です。割と頻繁に背後も出てきますので苦手な方はご注意ください。基本的に背後はとっても痛い人です。
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お盆・故郷にて
2009-08-18 Tue 21:04
「あれ。お兄ちゃん、可愛いストラップつけてるんだね」
 不意に。
妹が俺の携帯についているストラップに目を留めてつぶやいた。
妖獣モーラットの人形がついた、可愛らしい開運ストラップ。
そのストラップと俺の顔を見比べながら、妹は首をかしげて尋ねてきた。
「…お兄ちゃんの趣味?」
「…いや。貰い物だよ。修学旅行のお土産を渡したら律儀にお返しをくれてな」
「ふーん…」
 俺の答えにも何故か妹は納得せず、まじまじと俺の顔を見つめてくる。
「なんだよ?」

「…それ、彼女?」
「な…っ!?」
 唐突な妹の発言に、俺は盛大に咳き込んだ。
「そんな訳ないだろう!?」
 思わず声が大きくなる。どうしてそんな結論になるんだよ…!?
「じゃあ、それ私がもらってもいいかな?可愛くて気に入っちゃった♪」
「…駄目だ」
「ぶー。なんでー?」
「貰い物だって言ったろう。
人から貰ったものを簡単に他の人間にあげるなんて失礼じゃないか」
「お土産のお返しなんでしょ?『妹がすごく気に入って使わせてもらってるよ』って言ったって気を悪くしたりしないんじゃない?」
「それは、そうかもしれないが…」
 確かに、別に俺に使ってくれとは一言も言ってない。
妹が使っても気を悪くしたりはしないだろうし、そもそも俺が使っていなくとも彼女は気にしないだろう。
――そう。つまり結局のところこれも『言い訳』なのだ。
そんな胸のうちの結論を見透かしたかのように、真面目な顔で妹が口を開いた。
「…手放したく、ないんでしょ?好きなんだ、その人のこと」
「…!!ちが…」
「…はぁ。こんなに嘘つくの下手なお兄ちゃん初めて見た…」
 否定しようとする俺の言葉をさえぎって、妹は大げさにため息をつく。
…言葉もない。
今までどんな厳しい修行や辛い任務があっても、俺はそれを妹には悟らせないようにしてきた。言葉は悪いが…心を偽るのには慣れていたつもりだ。
それが、慣れてないからとはいえ、こういった事になると簡単に動揺し、いつまでも悩んでしまう自分の情けなさにはため息をつきたくなる。
「ねぇ。聞かせてよ、その人のこと」
「いや、だから…」
「今更否定したって説得力ないからね。あと話してくれるまで離してあげない」
 そう言って妹は俺の腕をがしっと掴んだ。
「…う」
 こうなると妹は全く退かない。
幼い頃、俺にリボンを渡してくれた時のように。
む~~という擬音が聞こえてきそうな表情でじっと俺を見つめている。
…やれやれ。
「わかったよ…」
 ため息をつき、俺は緋坂のことを簡単に妹に語り始めていた…。


「………」
「………」
…おかしい。
ちゃんと話し終えても、妹のもの言いたげな視線に変化がない。
「…おい?」
「…お兄ちゃんってさ」
「…?」
「馬鹿でしょ」
「Σ!?いきなりなんだよ!?」
「最初から『きっぱり振って終わりにしてほしい』なんて情けない告白聞いたことないよ!?もっとビシっといけないの?!」
「いや、それは…!」
「それに何?相手が幸せになってくれたらそれでいい?
前時代的ー!お兄ちゃんってもしかして化石?実はアンモナイトだったりする?」
「あのなぁ…!?」
「っていうか、そこでなんで自分が頑張ろうって思わないのよ!
お兄ちゃんがヘタレだったなんて、妹としてがっくりだよ…!!!」
 こちらに反論の隙すら与えない妹の見事な俺攻撃。
と言うか本当にひどい言われようだな…!?
「大体、その人、本当にその『好きな人』と幸せになれるの…?」
「…え?」
「だって普段から恋愛とは無縁で仕事一筋に生きていくって公言してるんでしょ?
矛盾してるじゃない。お兄ちゃんみたいにすでに振られてるとか、相手に彼女がいるとか。何か告げられない理由があるんじゃないの?」
「…、…そう、か。
いや、例えそうだとしても、きっと誰かもっとふさわしいヤツが現れて…」
「そうだね。お兄ちゃんが言うみたいにすごく素敵な人なら、きっと人気もあるんだろうね。でも…その『誰か』がお兄ちゃんじゃどうしていけないの?」
「それは…」
 俺はそこで言葉に詰まる。
俺には、誰かを幸せにする事なんか出来ない。
背負った罪の重さが、それを許しはしない。
だが、それを妹に告げるわけにはいかなかった。
続く言葉を口に出せない俺の瞳を妹が静かに見つめている。
そして…ふと、こんな言葉を口にした。
「ねえ。お兄ちゃんは、お父さんの事、嫌い?」
「…いや。そんな訳ないだろう」
 唐突な質問に戸惑いながらも、きっぱりと答える。
確かに父は厳しい人だった。修行にも任務にも容赦がなかったし、甘えなど一欠片も許されなかった。だが、それでも…俺たち家族の事を想ってくれていたと思える。
「お兄ちゃんの『忍び』の仕事が綺麗なものじゃない事くらいは私だってわかってるよ。
お兄ちゃんがものすごく辛い思いをしてきたんだろうってことも薄々は気付いてる。
もしそれが理由で自分に枷をはめているのなら…ねぇ、お兄ちゃん。
同じお仕事をしていたお父さんはお母さんと結婚しちゃいけなくて、私たちは生まれちゃいけなかったのかな?」
「あ…」
「お父さんは最後までちゃんとわたし達家族を愛してくれたよ。
なのに、その子供のお兄ちゃんにはそれが出来ないの?
多くの人の幸せを奪ってきたのなら…せめて、自分の好きな人くらいは全身全霊を持って幸せにしようって頑張ったらいいじゃない」
「……」
「結果は変わらないかもしれないけど…今のままだったらお兄ちゃん絶対後悔するよ。
だから、せめてやるだけのことは全部やってみようよ。…それにね、お兄ちゃん。
女の私から言わせてもらえば」
「…?」
「女の子は幸せにして欲しい、なんて思ってないよ。今は男も女も対等な時代だよ?
一方的に幸せにしてもらうだけなんて、私は嫌だな。
だから、そんなに肩肘張ることないんだよ。お兄ちゃんはもっと気持ちに素直に生きて良いと思う」
「…そうか」
 それだけ、やっと口にする。
やれやれ、本当に情けないよな。妹にここまで言われるなんて。
思わず苦笑が浮かぶ。
そんな俺の表情の変化に気付いてか、妹が表情を崩していたずらっぽく笑った。
「でも、まぁ。最終的にはまた振られてくれるといいんだけどね♪」
「…は?!」
「だって、やっぱりお兄ちゃんを振っちゃうような見る目のない人にお兄ちゃんあげたくないもん。けど今のままだと悔しいからせめて『振っちゃってちょっと惜しかったかなー?』と後悔するくらいには頑張ってね♪」
「なんだよそれ!?」
「えっへへー!あ、そろそろ夕飯の手伝いしなくちゃ。じゃーね、お兄ちゃん!」
抗議しようとする俺から逃げるようにして、妹は台所へ向かう。
俺はその背を見送って…もう一度、大きなため息をついた。
「…やれやれ。本当に、情けないよな」
苦笑を浮かべながら、改めて、携帯につけられたモーラットのストラップを見やる。
ミニチュアモーラットの純真な顔を見ながら、俺は一つ、小さな決意をしていた――。






※背後より
妹にボロボロ言われてヘタレ全開蒼刃!
あとはから回ってから回って自爆するまで突っ走れーー!!!

蒼刃「Σちょっと待てー!?」


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