トミーウォーカーのPBW「シルバーレイン」のPC、アストラム・ヒッペアス(b52617)・霜月蒼刃(b52626)2名(+α)と同PBW「サイキックハーツ」のPC霜月蒼刃(d04677)・蒼城飛鳥(d09230)による日記等の雑記です。割と頻繁に背後も出てきますので苦手な方はご注意ください。基本的に背後はとっても痛い人です。
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解放
2008-10-18 Sat 00:09
※背後より
今回はSSです。ぶっちゃけ背後には文才も執筆スキルもありませんので、読みづらく内容は薄いかと思われます。しかも無駄に長い(笑)
追記部分を読まれる方は以上のことを覚悟した上で閲覧ください。




…ずっと。

俺を囚え続けていたものが、目の前で壊れて行く。

いや。壊れる、なんていう乱暴なものじゃない。

それは慈悲深く、一瞬で消されたのだ。

闇を走る刃に、その胸を一突きにされて。

俺の主だったモノの命の灯火は、そこで消えた。

残ったのはただの肉塊と、広がって行く血溜まり。

そして、その肉塊を作ったのは―――



「ぐっ、く…そ」
 いまだ力の入らぬ体に喝を入れて立ち上がろうとする。
けれど自分の体は無様なほどにガタガタで、全身に力を込めても上体すらも起こせない。
「ふん。地べたに這いつくばっていい様だな」
 動かぬ体で視線だけを上に向ければ、つまらなさそうな瞳で俺を見下す銀髪紫眼の少年の姿があった。
そして、その後ろに無言でたたずむのは――。
「…殺せ」
 俺は少年にではなく、後ろにたたずむ黒髪の女性にそう告げる。
「…」
「主も守れず地を這う無様な忍に、殺す価値もないというのか?」
「…」
「価値はなくとも、生かしておく意味もないだろう。慈悲があるのならば…殺せ」
 それで、終わりにしてくれ。
心の叫びは言葉にはせず、俺はただただその女性を見つめ続ける。
「…もう、いいのです」
 しかし答えは、全く別の場所から返って来た。
「勇希、様…!?」
「ばっ!馬鹿、何無理してやがんだお前はっ!!」
 部屋の入り口に現れた松葉杖の少女に、銀髪の少年が慌てて駆け寄る。
「ありがとうございます、アスト様。私は、大丈夫ですから…」
 アストと呼ばれた少年は、少女を支えるというよりは部屋に入るのを制止しようとしているようだったが…控えめながらも譲らない少女の意思に押されるようにして、その道を開けた。
 少女はアストに支えられるようにして部屋に入ると…一瞬だけ悲しげに肉塊の方へ視線を向け…俺のもとへとやってきた。
「もういいのです、蒼刃様。…父はもう亡くなりました。貴方まで、それに殉じる必要はないのです」
 言いながら、血に汚れるのにも構わず俺の上体を優しく起こす。
父。…そう。彼女は肉塊となってそこに転がっている俺の主の娘だった。
「勇希様…ですが」
「…貴方は『この家の当主』に仕える忍でしょう。
前当主麗司亡き今、現在この家の当主は一人娘であらせられるこの勇希様。
その勇希様がもういいとおっしゃっているのです。貴方は、主の言葉に逆らうのですか?」
 突如。今までずっと沈黙を守っていた黒髪の女性が口を開いた。
…『前当主』、か。
たった今『当主』を『前当主』にしたばかりの人間が、よくも言う…!
「…何故、殺したのですか。麗司様は貴方の実兄であったはずです。
確かに、麗香様の分家と本家の仲は良くはなかった。でも、それでも…」
 この家は、古くは西洋を祖とすると言う魔弾術士の家系だ。
しかしながら長く能力者は生まれず、ようやく力に目覚めた一族の者は…どういうわけか魔剣士だった。この家での能力者の正統といえば魔弾術士。
故に力に目覚めながらも一族には認められず、蔑まれ…そして恐れられている。
それが、目の前の黒髪の女性…麗香だった。
一族の長たる地位にいながらも『力』無き兄の本家と、『力』に目覚めながらも正統とは認められぬ妹の分家。二つの家はとても微妙な関係にあった。
だが、それでも…二人がお互いを憎み合っていたという訳ではなかったはずだ。
「その理由は貴方が一番良くわかっているはずです。
兄が、どれだけの非道を働いてきたのか。…いえ。こういった方がいいのかしら。
兄が、どれほどの非道を貴方に働かせてきたのか、と」
「…ッ」
「兄は、『見えざる狂気』に犯されていました。止めるには、もうこれしかなかったのです」
「『見えざる狂気』…?しかし、麗司様は…」
「目覚めていたのです。けれど、力を使いこなすには目覚めるのが遅すぎたのでしょうね。プライドの高い人でしたから、使いこなせぬままの力を他人に知られるつもりもなかったのでしょう。…使いこなすために人知れず力を使い続け…その心は狂気に蝕まれていった」
「…だからといって…勇希様の前で…」
「それは違います、蒼刃様!!
…父の非道と、狂気を知り。麗香様にご相談したのは、私ですから」
「…!」
「『力』なき身とはいえ…私とてこの家に生まれたものとして、『力』ある者の責任は心得ております。
――芹香様と、同じように」
「芹香様…?まさか…」
「…恐らく貴方の想像通りです。私は、自身が狂気に陥った時には、その処分を娘に任せています」
 俺の挙げた疑問の声に、淡々と麗香が答える。
「…勇希様だけでなく…御自分の、娘に。ご自身で。
実の母を殺せと定められたのですか。いくら、なんでも…っ!」
「控えなさい、霜月蒼刃!…これは私と芹香で決めたことです。
他の者が口を差し挟むことではありません」
 激昂の言葉は強い意志の秘められた声と視線に即座にぴしゃりと遮られる。
「それよりも、蒼刃様。私は貴方にお詫びしなければなりません。
父が貴方にしたこと、させたこと…いくら謝っても、足りないのは分かっていますけど…。
どんな責めのお言葉も、私が受けます。
ですから…もういいのです。貴方はもう、自由に生きてください」
 突如告げられた言葉に、頭の中が真っ白になる。
…自由?今更?
俺のしたことを全て勇希様に押し付けて忘れろと?
「そんなこと…できる訳が…」
 言いかけた俺の胸倉を、唐突にアストが掴む。
「ぐだぐた言ってんじゃねぇよ。
…いいか。テメエがなんと言おうと俺も麗香も、テメエに『死』を与えてなんかやらねぇ。どうするのかは、自分で決めやがれ」
 真っ白から一転。
今度は絶望で目の前が暗くなる。
俺は、自分の罪を死で贖うことも許されないのか…?
「う…うぅ」
「…蒼刃様!?蒼刃様っ!!!」
 勇希様の声が遠く聞こえる。
――気付けば俺は、自分の部屋のベッドで眠っていた。
きっと、色々と声はかけられたのだと思う。
だが、体にも限界が来ており、目の前が真っ暗になった俺はそこで意識を手放してしまったのだろう。
恐らくは、勇希様がここへ運ぶよう手配してくれたのだろうが…。
ベッドから身を起こし、周囲を見回す。
部屋が変わっているのだから、意識を失うまで目の前にあった麗司様の死体が転がっていたりはしない。
「…麗司様、か」
 脳裏に浮かんだ言葉に、自嘲する。
あれほど憎み恨んだ主に、死して尚「様」をつけているのだから。
麗香様を責めたのは、勇希様のことと…何よりただ自分を斬って欲しかったからだ。
忍びとしての掟に縛られていただけで、あの男に対する心からの忠義など、ない。
もっと以前に訪れていたなら、この日をどれだけ喜んだか分からない程だ。
忍びとしての掟に逆らえず、意に沿わぬ主の命に従い続ける日々に、終わりが来たこの日を。心の底から殺してやりたいと思ったあの男の命が奪われた日を、俺はきっと歓喜と共に迎えていただろう。
――だが、もう遅すぎる。
ゆっくりとベッドから起きて窓を開ければ、外はもう、白々と明け始めていた。
 能力者というのは都合の良いものだ。
あれだけ動かなかった体は、今では何とか歩けるほどに回復している。
戦えるほどではもちろんないが。
「…」
 無言でふらふらと部屋を出る。
このままこの屋敷にいるつもりはなかった。
ならばどうするつもりなのか、と言われても、そんなものは自分だって分からない。
勇希様は、俺はもう自由だと言った。
…だけど。
こんなに簡単に解放されるものならば。
俺が今まで犯してきた事はなんだったのか。
避けられぬ、逃れられぬ運命として甘んじて行ってきた全ての非道が。
こんなにも簡単に回避できるものだったのなら。
俺が奪ってしまった命たち、は―――。
「おい」
 屋敷の門を出ようとしたところで、声をかけられた。
麗香様と一緒にいた銀髪の…確か、アストと呼ばれていただろうか。
「どこにいくつもりだよ?」
「…さぁ、な」
「死ぬ気じゃねぇだろうな?」
「…さぁ、どうだろう」
 虚ろな俺の返事に、アストは苛立ちの混じった表情でキッと俺を睨んだ。
「――お前。簡単に自由になれたなんて思ってるんじゃねぇだろうな。
あの決断を下したのは、勇希なんだよ。…その意味、少しでも考えてみやがれ」
「…」
 考えろと、言われても。
頭は思考を放棄したかのように虚ろで。
俺はそのままアストの脇を通り過ぎ、屋敷を出て行った。
「…腑抜けめ」
 最後にそんな声が聞こえた気がするが…それも最早どうでも良かった。
…いっそ。リリスでも、リビングデッドでもいいから俺を見つけてくれれば、いい。
お前達にとって最高の御馳走である能力者のカモが、ここに転がっているんだ。
誰でもいいから、俺を見つけて終わりにしてくれ…。
 ――しかし、それでも。
銀の雨と言うやつは、どうにも人には優しくないらしい。
俺はゴーストどころか誰にも出会うことなくふらふらとさ迷い歩き…いつの間にか一軒の日本家屋にたどり着いていた。
俺は何かに誘われるようにその庭園へ足を踏み入れ…そして―――。


「…ここは…」
 空の色が変わっている。
土と草の臭いが、鼻腔をくすぐる。
「一日に二度も意識を失うなんてな…」
 自嘲するのも、何度目だろう。
庭木に隠れて、家主に見つからなかったらしいのが幸いと言うべきか。
身を起こそうとして、母屋の方からする人の気配に思わずそのまま身を隠す。
無意識の、忍びとしての習性というべきか。
気配を消してそちらを窺って…俺は目を疑った。
(…芹香…様!?)
 母屋にいる数人の人影のうちの一人。
長い黒髪の少女はまぎれもなく、あの麗香様の一人娘、芹香様だった。
「父親…殺され…救いのない…」
 途切れ途切れに、会話が耳に届いてくる。
歳若い学生達が口にするには不穏な単語の混じる会話から、どうやらゴースト事件について語っているらしいことがうかがえてくる。
ゴーストに無惨に父親を殺されてしまった少女について心を痛めているようだ。
…芹香様は能力者として銀誓館に通っていると言う。
と、すればここは銀誓館の学生達によって運営されていると言う結社の一つなのか。
思わず、そのまま会話に耳を傾ける。
「私たちに出来ることはあまりにも少ないけれど…それでも出来ることに精一杯を尽くすしかないのね」
 芹香様の静かな声が、何故か胸に突き刺さる。
…『出来ること』。
ちくり、ちくりと何かが胸をさして、痛い。
芹香様たち能力者の若者は、悲しみに胸を痛めながら、それでも尚、前向きだった。
純真に、純粋に。
これから出来る事に、精一杯を尽くそうとしている。
…俺は、違う。
彼らとは、違う。
助けられなかったんじゃない。この手で、自ら、多くの命を無惨に奪った。
彼らが憎むゴーストと同じ所業をした、憎まれるべき立場の人間だ。
だから、彼らと同じことを望んではいけないのだ。
耳元に張り付く怨嗟の声が、今も俺を冥府に誘っているのだから――。
けれど彼らの言葉を聞く度、胸に刺さった小さなとげは熱い熱を持ち始める。
 母屋では実際に事件に直面したらしい藍色の髪の少女が、仲間達の言葉を受けて俯きがちだった顔を上げていた。その口から漏れる言葉もまた、力強く。
「いつかわたしたちの戦いによって、誰かが幸せになれるといいなって、思います」
 真摯な言葉が、胸に熱く響く。
…誰かの、幸せのために。
そんな風にこの拳を振るえると。
信じていた頃が、あったような気がする。
いつから、忘れしまったのだろう。
…いつから、諦めてしまったのだろう。

『――お前。簡単に自由になれたなんて思ってるんじゃねぇだろうな。
あの決断を下したのは、勇希なんだよ。…その意味、少しでも考えてみやがれ』

 今になってようやく、アストの言葉が頭の中で意味を成す。
…あの優しい勇希様が。
自ら父殺しの罪を背負い、心を痛めなかったはずがない。
殺すしかないと決断するまで、どれほど悩んだことだろう。
その上で、あの場で悲しみを押し殺し、俺を気遣った勇希様。
父を殺し、策謀渦巻くあの家の当主を継ぐという覚悟はどれほどのものだったのか。
彼女は、父が犯した罪も、俺が犯した罪も全て自分が背負うと言った。
――俺には、勇希様のような覚悟がなかっただけだ。
死んで、何が償えるのか。
…耳に響く怨嗟の声と、足を捕らえる亡霊の手は消えない。
俺はそれを、振り払えない。
それでも。
俺は、力なく開いていた拳を、ぎゅっと力強く握り締めた。
それら全てをつれたまま、背負ったまま、這うようにしてでも、前へ進もう。
純粋に前を見続ける彼らのように。
守るため、誰かの幸せのためだけに、これからはこの拳を振るおう。
「…」
 気配を殺し、庭を出る。
体はまだふらついている。けれど足取りは力強く。
俺は、勇希様のいる屋敷へと歩を進めていた。
新しい、自分の道を歩み始めるために――。




※背後より
こんな無駄に長いもの読んでくださった方がいましたらありがとうございました(平伏)
うん、かなり微妙描写で適当ですねっ(自分で言うなw)
話の山がどこにもないし、最後のまとめ無理矢理だし(致命的)
ともあれこれにて蒼刃は銀誓館で自分の力を振るって行くこと、勇希に改めて忠誠を誓うことを決意し、主である勇希にその許可を貰ったと言う訳です。
ちなみにアストは銀誓館への義理返しのためヨーロッパから渡ってきたものの、頼れる宛がなくて行き倒れていた(←計画性皆無(笑)のを勇希と麗香に拾ってもらったので、勇希に忠誠を誓うとまではいきませんが、恩義を感じてそれとなく支えようとしています。…やり方はもちろん素直ではありませんが(笑)
二人とも勇希の屋敷で生活しており、共に勇希を守る相棒と言うわけで。
勇希は銀誓館に通っていますが、能力者ではないので、当然銀雨内にキャラはいません(笑)
仮に同名のキャラさんがいたとしても無関係ですので、お間違えなきようお願いします。
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